楽天PointClubの「ポイントビットコイン」は、楽天ポイントを活用してビットコイン取引の疑似体験ができるサービスです。
ビットコインのレートにあわせてポイントが増減するため、うまく運用できた場合はポイントを増やすことができます。
増えたポイントは買い物にも使用できますが、ここで気になるのが「ポイントは現金ではない」という点です。
ポイントが増えた場合や買い物に使った場合、税金がかかるのでしょうか。
本記事ではポイントビットコインを利用した際の税金について、仕組みとともに解説します。
楽天ポイントのビットコイン運用「ポイントビットコイン」の仕組みとは
まずは、楽天の「ポイントビットコイン」について解説していきましょう。
「楽天ポイント」を投資・運用できるサービス
ポイントビットコインは、楽天ポイントを追加することで投資・運用を始められるサービスです。
レートはビットコインのレートと連動しており、ビットコイン相場が上がるほど楽天ポイントを増やすことができます。
楽天ポイントは楽天グループ直下のサービスや関連店舗やサービスを利用することで貯まるポイントで、基本的に1ポイント=1円として利用できます。
ポイントビットコインで使える楽天ポイントはこのうち、買い物などで付与される「通常ポイント」です。
特典やキャンペーンなどで得られる「期間限定ポイント」はポイントビットコインに使用することはできないため、注意してください。
ビットコインに直接投資しているわけではない
ポイントビットコインでは「ビットコインの値上がり」とともにポイントが増加しますが、通常の取引所とは違い実際にビットコインを購入しているわけではありません。
あくまでも、追加したポイントがビットコイン相場と連動しながら増減する仕組みになっています。
このように疑似的な取引となっているため、ポイントビットコインから仮想通貨を送付するといったことはできない点は覚えておきましょう。
楽天の「ポイントビットコイン」を利用するメリット
近年は同サービスのほかにも、ポイントを運用できる他社サービスが存在します。
では、他のサービスと比べて、このポイントビットコインにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
100ポイントから始められる
ポイントビットコインは「下限100ポイント」から始められ、1ポイント単位で追加することができます。
100ポイントの集めやすさとして、楽天のポイント還元率は最低1%であるため、楽天ポイントが付与されるサービスもしくは店舗で1万円分の買い物・利用をすれば得られるポイント額です。
また楽天カードを併用すれば還元率が3%以上になるなど、効率的にポイントを貯めることも可能です。
さまざまな店舗・サービスでポイントがもらえるために集める機会も多く、還元率を上げる方法もあることから、ポイントを利用したサービスの中でも使いやすいというのがメリットのひとつだと考えられます。
疑似運用によってビットコインの値動きを体験できる
ポイントビットコインでは直接ビットコインに投資をしているわけではありませんが、値動きはビットコインの相場と連動しています。
自分のお金をかけずにビットコイン投資を体験できるため、投資初心者にもおすすめです。
また、他社にもポイントを投資商品と連動させて運用できるサービスはあるものの、その多くは株式と連動しています。
ビットコインの値動きを体験できるサービスは少ないため、ビットコインに興味のある方はポイントビットコインを活用すると良いでしょう。
ポイントを増やせる可能性がある
ビットコインのレートが楽天ポイントを追加した時点より上がっていた場合、その差額分だけポイントを増やすことができます。
一方で値下がりした場合は投資したポイントが減ってしまうリスクもありますが、元々現金ではなくポイントを投資しているため、リスクを最小限に抑えたままリターンを狙うことができるでしょう。
楽天の「ポイントビットコイン」に税金はかかる?
ビットコイン投資で収益を得ると税金がかかりますが、楽天のポイントビットコインはビットコインに投資しているわけではありません。
では税制面ではどのような扱いになるのでしょうか。
ポイントビットコインの税金について、ケースごとに解説します。
ポイント運用中は税金がかからない
ポイントの運用中は「経済的利益が発生していない」と考えられるため、税金はかかりません。
そのため、もしレートが急上昇して運用ポイントが何十万ポイントに膨れ上がった場合でも「非課税」の扱いとなります。
「引き出す」で利確しても課税対象外
ポイントビットコインでは運用したポイントを「引き出す」こともできます。
通常の仮想通貨取引における「利確」になりますが、ポイント運用の場合はまだ課税対象にはなりません。
具体的なケースを見ていきましょう。
- Aさんはポイントビットコインに、楽天ポイント(1万ポイント)を追加した
- 翌年、レートが上がりポイントが1万から2万まで増加した
- すべてのポイントを引き出し、2万ポイントを保有したまま翌年を迎えた
このとき、元々1万ポイントだった楽天ポイントが2万ポイントまで増加しましたが、利用していないため、年内の所得としてはみなされません。
利用した際に増加分が課税対象になる
増えたポイントで商品を購入・もしくはサービスの利用で消費したときに、増加分のみが一時所得とみなされ、課税対象となります。
運用したポイントを商品と交換等したことで「経済的利益が発生した」という扱いになるためです。
一時所得にはほかにも懸賞金や謝礼金、講演料など、臨時的・偶発的に得られた所得が該当します。
そして、所得(今回の場合、商品購入総額)が特別控除内の50万円以下であれば、税金がかかることはありません。
注意したいのは、ポイントを使って商品を購入するとき、税金の対象となるのは「増えたポイントの金額分」のみであることです。
次のケースを見てみましょう。
- Bさんはポイントビットコインに貯めていた楽天ポイント(1万ポイント)を追加し、2万ポイントまで増やした
- 増えた2万ポイントをすべて使って、2万円分の買い物をした
今回、買い物に使用したポイントは1万ポイントです。
しかし、最初ポイントビットコインに投資した1万円は「買い物などで貯めたポイント」なので非課税となり、残りの1万ポイントは「増えたポイント」であるため、購入で使用した分は課税対象になります。
よって、2万円の買い物をしていてもその全額が課税対象となるわけではないことに注意しましょう。
「ポイントビットコイン」を利用する前に知っておきたいこと
楽天ポイントを運用できる便利なポイントビットコインですが、まだ使ったことのない方が多いかもしれません。
そこで、ポイントビットコインを利用する前に知っておきたい注意点について紹介します。
利益額によっては確定申告が必要になる
前述のように、ポイントビットコインの利益状況によっては確定申告が必要になるケースがあります。
下記のいずれにも当てはまった場合は、確定申告を行いましょう。
- 増加した分のポイントで商品を購入した
- その購入総額が1年で50万円超
ただ、50万円分を超えるポイントを使うことはそう多くないため、ポイントビットコインの利用だけでは非課税になることが多いと思われます。
もし、その他一時所得に該当する所得があって超えそうな場合は、いったんポイントでの買い物を控えるなどして調整するとよいでしょう。
現金による入出金はできない
ポイントビットコインで運用するのはあくまで楽天ポイントであるため、直接現金として引き出すことはできません。
ポイントを使用できるのは楽天グループ内の買い物もしくは利用可能な協力店舗・サービスに限られるため、制限を理解したうえでサービスを利用しましょう。
仮想通貨を購入・運用するなら「楽天ウォレット」を利用する
ポイントビットコインのレートは仮想通貨レートと連動しているだけであり、実際に仮想通貨に投資しているわけではありません。
楽天ポイントで仮想通貨を購入・運用したい場合は、楽天グループのサービスである「楽天ウォレット」を利用するほかありません。
なお「楽天ウォレット」は楽天ポイントを使って仮想通貨を購入することができますが、ポイントで仮想通貨を実際に取引して生じた所得は、一時所得ではなく「雑所得」の対象となり、20万円超の所得を得ると確定申告の対象となる点にご注意ください。
まとめ
ポイントビットコインでは楽天ポイントを運用することができますが、実際にビットコインへ投資しているわけではないため、税の扱いも仮想通貨とは異なります。
もし運用した楽天ポイントで買い物をした場合は課税対象となるため、注意が必要です。
ただ、ポイント運用で増えた分を引き出したり購入に充てたりした総額が50万円分以下であれば、確定申告の必要はないため、通常の仮想通貨取引よりも気兼ねなく利用することができるサービスであるともいえます。
ビットコイン相場をライトに体験できるというメリットもありますので、興味のある方はぜひ活用してみてください。