近年、ブロックチェーン技術を活用したNFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)が続々と登場しています。
そのなかでも、スマートフォンを使って気軽に遊べる「SNPIT(スナップイット)」が気になっている方は多いかもしれません。
このSNPITで遊ぶと暗号資産(以下、仮想通貨)を得られますが、受け取った仮想通貨には税金がかかるのでしょうか。この記事では、SNPITに関する税金について、基礎的な内容をわかりやすくお伝えします。
SNPIT(スナップイット)とは?

SNPIT(スナップイット)は、スマートフォンで写真を撮影することでSNPTトークンを獲得できるSnap to Earn(写真で仮想通貨を得られるゲーム)サービスです。
SNPITではアプリに内蔵された「カメラNFT」と呼ばれる仮想カメラを使って撮影していきます。
このカメラは複数用意されており、それぞれにステータスが付与されているのが特徴です。
最初は無料カメラでも始めることができますが、高ステータスのカメラほど利益を得やすいため、効率よく稼ぎたい方は仮想通貨のMATIC(ポリゴン)でカメラを購入してもよいでしょう。
またSNPITで遊ぶと、ゲーム内ポイント「FP」と「STP」が得られます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
ポイント名 | 獲得方法 | 使用方法 |
STP | ・カメラNFTを使用して写真撮影をする ・フォトバトル(メインバトル)で勝利する ・フォトバトル(メインバトル)で投票した写真が勝利する | ・SNPTトークンへの交換 ・カメラNFTの拡張 ・アイテムの生成 など |
FP | ・無料カメラで写真撮影をする ・フォトバトル(カジュアルバトル)で勝利する | ・デジタルギフト(電子マネー)と交換 |
無料カメラによって貯められるFPは、電子マネーなどのデジタルギフトと交換できるポイントです。
また、カメラNFTを使うとSTPを貯めることができ、仮想通貨トークンである「SNPT」と交換できます。
このカメラNFT自体も取引可能なため、安い段階で購入し、高くなってから売却することで収益を得られる場合もあります。
SNPITで所得が発生するタイミング
無料カメラではポイ活、カメラNFTでは仮想通貨取引のような活動ができるSNPITですが、税制面ではどんなところに気をつけたらよいのでしょうか。
SNPITではさまざまなタイミングで「所得」が発生し、SNPITで得た所得の税区分は総合課税の「雑所得」です。
これは通常の仮想通貨取引と同様で、給与所得などのさまざまな所得との合計した「所得金額」によって税率や税額が決まります。
雑所得は原則「20万円以下」であれば確定申告は必要ありませんが、20万円超なら確定申告を行う必要があります。
ここで注意したいのは、仮想通貨では、日本円や米ドルなどの法定通貨に交換していないときでも所得になるケースがあるということです。
申告漏れにならないよう、所得の発生タイミングはしっかり抑えておきましょう。
ここからはSNPITで所得が発生するタイミングについて紹介します。
STPからSNPTに交換したとき
ゲーム内のポイントである「STP」を市場価値のある「SNPT」に交換したタイミングで、所得が発生したとみなされます。
例えば、1,000STPを同数のSNPTに交換し、SNPTの市場価格が10円であった場合、10,000円の所得が発生することになります。
また、詳しくは後述しますが、SNPTを決済または他の仮想通貨に交換したとき、値上がりによる利益があれば、その分も所得になります。
「いくら値上がりしたか」については、STPからSNPTに交換した際の取得価額を基に算出できるため、交換時の履歴はきちんと控えておくようにしましょう。
FPをデジタルギフト業者を経由して、電子マネーに交換したとき
FPを電子マネーに交換したときは「現金を得た」と判断され、課税所得となります。
SNPITでは一度FPをデジタルギフト業者のポイントと交換し、そのポイントを好きな電子マネーに変換することができます。
そのため、FPからデジタルギフト業者のポイントに交換するだけなら所得とみなされずに税金もかかりませんが、「業者ポイントを電子マネーに変換したとき」は課税対象となるため、高額のポイントを変換する際はしっかり記録しておきましょう。
一方で、デジタルギフト業者のポイントの期限が切れた場合は電子マネーと交換できないため、課税対象とはなりません。
FPの交換先となるデジタルギフトのポイントは、現状90日間の有効期限があるため、注意しておくと良いでしょう。
SNPTを売却・交換したとき
カメラNFTで撮影して貯まったSTPポイントは「SNPIT AMM」という公式サイトでSNPTトークンに交換することができます。
既に海外で上場を果たしているSNPTの課税タイミングは以下の3通りです。
- SNPTを売却したとき(日本円や外貨と交換)
- SNPTと別の仮想通貨を交換したとき
- SNPTで他社サービスや商品を購入したとき
SNPTを売却して日本円や外貨を手に入れた場合、そこから経費を引いた額が課税所得となります。
ここで注意したいのは「仮想通貨同士を決済したとき」も課税対象となる点です。
例えば、SNPTとBTC(ビットコイン)を交換すると、税制上では「SNPTを日本円に替え、その日本円でBTCを購入した」という扱いになります。
つまり、交換したタイミングでSNPTの時価が所得となり、課税の対象になるのです。
このほか、SNPTを使って他社商品・サービスを購入したときも同様に課税タイミングとなります。
このように日本円を手に入れていなくても所得となるケースがありますので、SNPTを利用したらその際の時価をしっかりと記録しておきましょう。
カメラNFTやミントスクロールを売却して利益を得たとき
カメラNFTやミントスクロールは「NFT」として売買できます。
これらを売却して得た利益は課税所得となり、確定申告の対象です。
NFTの課税所得は「売った額」から「買った額」を引いて計算します。
例えばカメラNFTを5,000円で購入し、1万円で売却した場合は、差額の5,000円に税金がかかります。
またミントスクロールも同様に計算しますが、仮にミントスクロールを購入ではなく「獲得」したときは「取得時の時価から値上がりした分」が所得と見なされる点に注意しましょう。
例えば、ミントスクロールの獲得時点の価格が5,000円であり、1万円まで値上がりして売却した場合は、値上がり分の5,000円が課税所得です。
SNPITに関する税金のポイント・注意点
次に、SNPIT特有の税金に関するポイントや注意点について紹介します。
STPのままなら所得として計算する必要はなし
アプリ内で貯まったSTPは「SNPTトークン」に交換することができますが、STPをそのまま保持するのであれば所得にはならないため、確定申告は必要ありません。
厳密にはSTPは「ゲーム内ポイント」として取引は不可能であり、SNPTに交換して初めて取引できるためです。
ただ、次に続きますが、STPのままだと所得としてみなされないことから、STPを消費しても経費としてみなされない可能性があることには注意しておきましょう。
ゲーム内で消費するSTPは経費としてみなされない可能性がある
STPは「カメラNFTの強化」などに使用できます。
他のサービスでも、仮想通貨を消費することでアイテムを強化できる場合がありますが、STPはあくまでポイントとして直接取引はできないため、STPを損失や経費として計上することはできません。
所得はあくまでもSTPをSNPTに変えてから発生することを念頭に置いておきましょう。
SNPITによる所得を確定申告する際の注意点
SNPITによる所得はおおむね、仮想通貨取引と同様の方法で確定申告を行います。
仮想通貨取引の確定申告は、以下のような点に留意しておきましょう。
- 取得価額の計算方法には「移動平均法」「総平均法」の2種類がある
- 総合課税の雑所得に該当し、原則20万円超から確定申告を行う
- 雑所得以外の所得と損益通算ができない
- 課税タイミングが複数ある
個人は届け出を出さない限り、原則「総平均法」を使って所得を計算します。
例えばカメラNFTを100円、150円で2つ購入し、うち1つを売却した場合、その売却にかかったとされる経費は購入額の合計値を割った額(250÷2つ=125円)になります。
このように、仮想通貨の確定申告は慣れない方にとって難しいため、20万円超の雑所得が見込まれる場合は前提となる知識を身につけておきましょう。
以下記事では、仮想通貨にかかる確定申告のポイントについて紹介しています。
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まとめ
今話題のSNPITは、スマートフォンで写真を撮影することでSNPTトークンを得られるSnap to Earnのブロックチェーンゲームです。
気軽に試してみたい方は無料カメラで電子マネーを獲得し、本格的に取り組みたい方はカメラNFTやSNPTを手に入れるなど、さまざまな方法で楽しみ、利益を得ることができます。
自分なりの戦略を見つけられる点が魅力的なSNPITですが、税金面では「いつ、所得が発生するか」を確認しておき、正確に確定申告するようにしましょう。
SNPITのトークンである「SNPT」の相場は変動するため、長期的に利益が出る可能性もあります。
SNPITをきっかけに税金の基礎知識を覚え、Web3.0の世界を楽しみましょう。